直売所 店舗コンセプトと販売ルール、永遠に守るべき?

「地域外品や仕入れ商品の扱う店舗、良し悪しは?」

OPEN5年目、会員数50名強の東北の某直売所。聞くところによると売上のピークはOPEN初年度で以降3年間右肩下がり。しかしほとんどの会員に危機感も無く、対策も無い。このままでは今年度も更なる減少が予測され、店の存続も危うい。昨年「何とかしたい」と行政経由で連絡が来ました。

 

私が「まず、具体的にどうしたいのですか?」と聞くと、店舗役員が「売上を回復させたい」「可能なら、ピーク時の初年度まで戻したい」ということだった。詳しく訊くと、前年割れの前年割れ続きで今やピークの70%ぐらいになっているらしい。

 

取りあえず、現場をリサーチとヒアリングしないと方向性も対策も出せないと言うと、先方の希望もあり、翌月一泊二日で現地診断に入った。

5年前と比較すると会員数は横ばい。しかし、納品数はどうだろうか?POSデータの売上折り返し時間に注目した。営業時間は9時~17時。5年前の4月の折り返し時間がほぼ11時前後。しかし今年度は12時~13時。明らかに午前中の売上が低い。午前中の品数が少ないのでは無いだろうか?

1泊して翌日土曜日の朝、売場を見に行った。生産者は来ている。しかし、各生産者納品数が少ない、乏しい。開店時間が過ぎても野菜売場の2/3がやっと収まった程度。11時までには売場の半分の葉物野菜が完売してしまっていた。レジスタッフに聞くと平日はもっと品数が少ないとのこと。

直売所課題のベスト3として「会員の高齢化、後継者不足」「端境期の品揃え、生産者同士のバッティング」「午後からの追加搬入」を私はいつも例として挙げますが、この直売所は「顧客の期待値>売場スペース>納品数」と言う、品数の圧倒的不足が原因だと判断しました。

 

午後からの役員を交えた会議で上記、私の見解を話しました。

「売上を回復させるには、まずは納品数(品揃え数)を増加させましょう。」「イメージは初年度並みの陳列量の確保です。」「できますか?」

ここで、役員の意見が二つに分かれた。

A案は「新規生産者を募集しよう」B案は「今の生産者にはっぱを掛け多く納品させよう、イベントを多く入れよう」

この直売所の会員要項では「郡内に居住か生産地があること」と明記されており、他地域や仕入品などは販売出来ない事になっていた。

A案では「高齢者、後継者不足の郡内限定ではすでに限界。売上を回復させるためには。他地域(県内限定)や非会員(仕入商品)も販売すべき」

B案では「他地域商品では産直のコンセプトから外れる。イオンと一緒。ゆくゆくは価格競争になってしまう。」

上記の様な言い分で喧々諤々約3時間、収拾つかない状態で、いつのまにか日が暮れてしまっていた。(ーー;)

 

日を改めて、再度訪問。

今度は生産者の代表数人、役員、従業員、お客様代表(地域の直売所マニアらしい)合計10名ほど集まり、前回の続き、解決策を話し合いました。

 

私から、「売上を回復させるのは現状のままではNG。大きなメス(改善)を入れる必要があります」「これは皆様、理解できますか?」一同納得。

私「その為の一番の近道は品数、品揃えの確保。具体的には5年前の陳列量が目標です。」

私「最終決定するのは皆様ですが、産直プロデューサーとして客観的な案を今回いくつか持ってきました。皆様、聞いてください。」

 

●商品を増やす

①他地域(県内に限り)生産者を会員として認める。但し他地域会員数は全体の10~20%以内とする。%は毎年役員会で決定する。

②新規就農者や起業家など入会金免除の会員も募集する。但し売上歩合に差を付ける。(正会員に歩合5%プラスなど)

③現生産者には出品を強く促すとともに、午後から追加搬入(こちらから電話して持って来て貰った場合)は融通を利かす(何か特典を考える)

④足が無く、持参出来ない生産者に対し、こちらから野菜を回収し、陳列代行まで行う(まずは土日限定で)

※姉妹都市の産直品、物産品の仕入れ販売→行政と連動

●売上を増やす

①前年の販売実績を作成、売れる商品の作付計画を促す。一緒に考えていく。定期的な販売ミーティングの開催。

②仕入品の販売実績データも開示。「会員さんたちに栽培して貰えればこれだけ売れた」と作付け、栽培を提案。

③定期的なイベントを生産者とスタッフらで計画実施。生産者が必ず売れて儲かる日を作り、納品数と来店客数をその日は最大限にする。

 

この日も3時間話し合いましたが、結局この日も結論は出ませんでした><

 

後日、役員さんから電話が入りました。

「他地域(県内に限り)生産者を会員として認めました。」「午後から追加搬入の協力者には、【協力スタンプ】を押印して、総会の時に表彰する事にしました。」「販売実績開示や仕入品の栽培提案など定期的なミーティングを開催することになりました。そうしたら現場と生産者とのコミ二ケーションが取れるようになり、今まで嫌がっていたイベント計画や応援なども協力的になってきたのでビックリです。」

結局はコミ二ケーション不足だったのでしょうね。外部の私が客観的に「物申す」して、少し風通しが良くなり、アイディアと行動力が生まれたのでしょう!売上はピーク時まではまだ戻っていないものの、95%前後までは回復。なので前年対比だと130%~140%伸長とのことでした♪

 

私は、直売所が安定存続するには「お客様の立場で(鮮度と品揃え)」「生産者の立場で(販売先の確保、収入の確保)」「お店の立場で(運営と存続)」この3つがバランスよく維持されなければならないと思っています。

 

今回の店舗は「お客様の立場で(品揃えが悪く)」「生産者の立場で(安定した収入が望めない)」「お店の立場で(存続が危ぶまれる)」こう言った状況でした。

 

このバランスを崩した状態では長くは望めません。

今回、コンセプトやルールを一部改訂や変更しても、上記三者をより満足させる事が出来るのなら、結果的にこれも有りだと思いました。閉店してしまったら三者とも悲しむだけです。皆様だったらいかがでしょうか?

 

 

 

2017年04月05日|分類:最新情報, 直売所・生産者